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2026年版中小企業白書を読み解く 事業承継とM&Aの活用

後継者不在率は下がっても高齢化は続く

2026年版中小企業白書が事業承継に関する興味深いデータを示しています。中小企業の後継者不在率はここ数年で低下傾向にあり、後継者不在の解消が一定程度進んでいることは確かです。しかし手放しには喜べません。2025年時点で、中小企業の経営者のうち60歳以上が過半数を占めており、高齢化の状況は依然として続いています。

後継者が決まっていても、承継の準備が整っていない企業は少なくありません。「後継者が決まっている」と「承継が進んでいる」は、まったく別の話です。

若い世代への承継が会社を伸ばす

白書が特に注目しているのは、承継する後継者の年齢です。50歳代以下の若い世代に事業を引き継いだ企業は、60歳代以上に引き継いだ企業と比べて付加価値額の伸びが高く、設備投資やAI活用にも積極的であることが確認されています。

早く渡すほど、会社が伸びる可能性が高い。このデータが示すメッセージは非常にシンプルです。手を離すタイミングを遅らせることは、会社の成長機会そのものを手放すことと同義かもしれません。経営者の皆さまに、ぜひ一度立ち止まって考えていただきたいポイントです。

M&Aは中小企業の成長手段になっている

後継者が身近にいない場合でも、M&Aという選択肢があります。白書によるとM&Aを実施した事業者は実施していない事業者に比べて付加価値額の伸びが高く、全体の約1割の事業者がすでに買収を経験しています。買収に取り組んだ目的として最も多かったのは「市場シェアの拡大」であり、M&Aはもはや大企業だけの手法ではなく、中小企業の成長戦略の一つとして着実に定着しつつあります。

「誰かに渡す」選択を考える

一方で、自社の売却については約8割の経営者が「検討したことがない」と回答しています。最大の懸念は「従業員の処遇への不安」です。しかし現実には、M&Aによって雇用が継続され、むしろ経営が安定するケースは少なくありません。

事業承継は「終わり」ではなく「次の成長への橋渡し」です。まだ余力があるうちに、一度選択肢として向き合ってみませんか。

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