インボイス制度が始まってから、レシート等の内容を確認するに際し、真っ先に登録番号の有無に目が行きがちな経理パーソンは少なくないと思われます。
取引を経理計上する際に、それが消費税の課税対象取引なのか、また適格請求書発行事業者なのかの判別と確認が必要です。
外見上取引内容が同じに見えても、よく見ると中身が違う場合にはきちんとした切り分けが必要となります。
Facebookを眺めていると表示されてくるSNS広告がFacebook広告、パソコンで何かを検索したらそのあとに何だか関連した分野の広告が表示されるのがGoogleなどのネット広告です。FacebookもGoogleも元々アメリカの会社だし、2015年に税制改正のあった例の「国境を越える電気通信役務の提供」の話でしょ、となりそうですが、その広告の請負業者が誰なのか、によって支払い側の消費税の扱いが変わってきます。
2024年7月1日現在、Facebook広告を提供しているのはMeta Platforms Ireland Limitedという国外事業者で、請求書にはリバースチャージの対象となる旨の注記があります。一方、Google広告はグーグル合同会社(登録番号T1010401089234)、YahooはLINEヤフー株式会社(登録番号T4010401039979)という日本の会社が提供しています。こちらは通常の方法での仕入控除となります。
日本の会社がFacebook広告のサービスを受けて支払う対価は、リバースチャージ方式の対象となります。リバースチャージ方式は、役務提供をした国外事業者に代わって、役務の提供を受けた国内事業者が申告納税をする仕組みです。ただし、①一般課税で、かつ、課税売上割合が95%以上の課税期間と②簡易課税制度が適用される課税期間については、当分の間、「事業者向け電気通信利用役務の提供」(特定課税仕入れ)はなかったものとされ、「特定課税仕入れ」として申告する必要はなく、また仕入税額控除の対象にもなりません。
そのため、リバースチャージ方式で申告をする必要があるのは、一般課税で課税期間の課税売上割合が95%未満の事業者に限られます。こちらの申告は少し面倒なので顧問税理士にお任せしましょう。