高年齢雇用継続基本給付金とは60歳以上65歳未満の雇用保険加入者で賃金が60歳以降、低下した状態で働き続ける方に支払われます。
高年齢雇用継続基本給付金の受給資格は60歳時点で被保険者期間であった期間が5年以上あり、60歳以後の各月の賃金が60歳時点の75%未満に低下していること、支給期間は60歳到達日の属する月から65歳に到達する日の属する月までです。
現在の支給額は61%以下に低下すると原則として60歳以降の各月に支払われた賃金の15%支給です。来年の2025年4月からは原則10%に引き下げられます。2003年5月までは原則25%でしたから段階的に引き下げられていることになります。2030年4月以降には廃止の方向です。
引き下げの影響は一般的に次のようなことが考えられます。
・高年齢者の収入が減少し、生活水準が低下する可能性がある。
・高年齢者の就業意欲やモチベーションが低下する可能性がある。
・高年齢者の雇用継続や再就職のインセンティブが減少する可能性がある。
・高年齢者の貧困や格差が拡大する可能性がある。
この中でも企業に対する影響としては、高年齢者が働き続けることに対する意欲、モチベーションが低下することが考えられます。高年齢者の収入源として、給与のほかに給付金があるのですが、減少で就業意欲が低下することは予想できます。
対策は高齢者の賃金水準や待遇の改善を図ることやスキル、能力の向上支援、キャリア形成、多様な働き方の雇用形態の選択肢の拡充、社会参加、社会貢献の機会を提供する等があります。
給与と年金額と給付金のバランスで低賃金にしておくことが難しい時代になってきていますので、定年後の従業員を戦力として活かしていくのは本人の希望も踏まえてキャリア形成等も考えながら、多様な働き方も取り入れていくことになってくるでしょう。