政府は、企業等に貯蓄された325兆円の現預金を人・スタートアップ・GX(脱炭素)・DX(デジタル化)といった重要分野への投資につなげていくことを後押しするとともに家計に眠る現預金を投資につなげる、勤労所得に加え金融資産所得も増やしていくことが重要として「資産所得倍増プラン」を掲げました。これまで投資経験のない未経験者の方約8000万人に資産形成に1歩踏み出してもらう働きかけを行う方針です。
プラン推進のため7本の柱を一体化して進めるとしています。
①当面の目的として家計金融資産を貯蓄から投資にシフトさせるNISAの抜本的拡充や恒久化を発表
②iDeCo制度の改革、加入年齢の引き上げ等
③消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供の仕組み作りの創設
④雇用者に対する資産形成の強化
⑤安定的な資産形成の重要性を浸透させていくための金融経済教育の充実
⑥世界に開かれた国際金融センターの実現
⑦顧客本位の業務運営の確保
「資産所得倍増プラン」の柱の一つである雇用者への資産形成の強化において企業は従業員が資産形成に関するアドバイスを得られるようにしたり、所得水準を上げたり中小企業においてもつみたてNISAや企業型確定拠出年金(DC)、iDeCo等が広がる取組をすることが求められます。投資教育では分かりやすい説明が必要でしょう。
一方で金融庁は企業年金の運用について企業自身にも責任を求める方針です。
企業型DCについては運用されずに資産放置が2600億円もあったり、確定給付企業年金(DB)では知識のない担当者が金融機関に任せきりであったりで運用戦略がないなどの問題が起きています。
企業にどのようなことが求められるのか今後の法改正での動向が注目されます。