雇用保険育児休業給付金の受給期間を延長する際の審査が厳格化されます。どのように変更されるのでしょうか?
育児休業は労働者の雇用の継続を図るために、原則として子が1歳に達するまでの間に取得することができます。育休中は無給のケースが多いために休業中の支援で育休を取得しやすくしています。
さらに一定の理由のある場合には、最長で子が2歳に達するまで給付金の受給を延長する仕組みがあります。延長理由で多いのが「保育園等における保育の利用を希望していたにもかかわらず当面保育が実施されない」ケースです。しかし中には育児休業給付金の延長期間を取るために「保育園等の入所落選狙い」で申し込みを行うケースがあり、以前から問題視されていました。本当に預けたい人の機会喪失、意に反して保育所入所が決まった時のクレーム対応等自治体の負担も大きく、今年の3月に雇用保険法の見直し改正案が示されました。
現在の要件は以下の通りです。
・入所申し込み年月日が1歳(1歳6か月)に達する以前であること
・入所希望日が1歳(1歳6か月)に達する日の翌日以前となっていること
・市区町村が発行する保育所等の利用ができない旨の通知がなされていること
・理由なく内定辞退を行っていないこと
ハローワークは「入所保留通知書」や「入所不承諾通知書」等、保育所が利用できない旨の通知の提出を求めています。
現行の要件に加えて「速やかな職場復帰のために保育園等における保育の利用を希望している者であると職業安定所所長が認める場合に限る」という文言が追加となり、遠隔地の園を選んだり、移動時間が30分以上になったりする場合は理由も述べる必要があります。入所保留の申し込みを行っていないか等、本人が記載する申告書で確認されます。
会社で2歳まで育休を取れたとしても育休延長が必ずしも受給延長の理由にならないこともあるということです。会社は本人にそのことを説明する必要があるでしょう。