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デイリーニュース
2024/01/25

旅行予約サイト経由で利用の際のインボイス書類

旅行サイトで予約の国内ホテルインボイス

 宿泊を伴う出張の際にインターネットの宿泊予約サイトを使うと、いろんなホテルを比較しながら1つの窓口で宿泊予約から代金決済までできて、結構便利です。会社に出張経費を精算するには領収書等の明細の添付が必要となりますが、こうした旅行サイトの領収書等でも何ら問題はないのでしょうか?

 特にインボイス制度が開始してから、会社の経理部門から「領収書等はインボイス番号が記載されているものをもらうように」という通達が出ているところも多いかと思います。予約サイトの領収書には予約サイト会社の登録番号の記載はありますが、実際に宿泊という役務提供を受けたホテルの登録番号はどこにも見当たりません。

仲介者交付特例で予約サイトの番号でOK

 ①ホテルなどが委託者で②旅行会社が受託者となって③買い手に販売する形式では、委託販売となり、インボイスのやり取りは①委託者→②受託者、②受託者→③買い手となります。③の買い手である出張者の旅費精算に際しては、②受託者である旅行会社=予約サイトの発行する書類が適格請求書ということになります。そのため、①の大元の役務提供者ではなく、②の予約サイトの登録番号でOKということになります。

 一方、旅行予約サイトにも、海外の事業者で、どこが一番安い価格を提示しているかの情報を提供し、宿泊先等の予約に誘導するサービスもあります。こうした海外業者の場合は、委託販売ではないので、媒介者交付特例が適用されません。国内の宿泊先等からインボイス書類をもらえなければ、消費税の仕入税額控除ができず、10%高い価格で利用した結果となってしまいます。

会社の経理部で方針を定め運用してもらう

 たとえば、宿泊費15,000円+消費税10%1,500円の場合で考えてみます。インボイスが発行される国内事業者の予約サイトでは経費が15,000円で、消費税1,500円は売上に係る消費税から控除されます。

一方、インボイスが発行されない場合には、経費が16,500円となり、消費税1,500円が控除される機会はなくなってしまいます。

 みかけは価格が安いサイトを使ったつもりでも、結果的に会社負担の金額が増えてしまう場合も起こりかねません。社員任せも結構ですが、ここは会社の経理部で方針をしっかり定めての運用がよいでしょう。