コロナ禍を超え、現在再び日本を訪れる外国人観光客が増加傾向です。訪日外国人客による、インバウンド消費のプレミアム化が進行しており、都内の商業施設では1食6,980円という強気な価格設定の海鮮丼が販売されており、「インバウン丼」と揶揄される現象も発生しました。国内の声はともあれ、その価格設定で飛ぶように売れているとのことですから、昨今の円安、長く続いたデフレの影響、賃上げと物価の上昇速度差等、原因は様々ですが、我々の価格感と逆に、世界からは「安い日本」というイメージを持たれているのかもしれません。
免税店とは外国人旅行者等の非居住者に対して特定の物品を一定の方法で販売する場合に、消費税を免除して販売できる店舗です。本来はパスポートの提示等を受けるため、人員を配置しておかなければなりませんでした。
2020年度税制改正において、パスポートの確認等を自動で行える機能を有した、国税庁長官が観光庁長官と協議して指定する自動販売機であれば、免税販売が可能となりました。令和6年2月末には免税自動販売機の認定に2種類が追加されているのが国税庁告示で確認できます。
免税自動販売機は、増加する外国人観光客への対応と、販売業者の人手不足を解消する手立てとして、今後も増えてゆきそうです。
免税対象商品は、1人あたり1日に販売する価額(税抜)の合計が、一般物品であれば5,000円以上、消耗品であれば5,000円以上50万円以下でなければなりません。これは従来の有人免税店でも、免税自動販売機でも同じです。また、この金額を満たすものであるか否か、確認を行う機能が免税自動販売機に付いていなければ指定はされないとのことです。
自動販売機で5,000円以上の買い物、というと日本の感覚では尻込みする方も多いとは思いますが、インバウン丼の件もあることですし、この制限について海外の方は「安いものだよ」と思っているのかもしれませんね。