賃上げ促進税制は、大企業に賃上げを高く求める制度となります。継続雇用者給与等支給額が3%以上増加の場合は10%の税額控除率とし、4%以上の増加で15%、5%以上の増加で20%、7%以上の増加で25%と傾斜をつけます。教育訓練費が10%以上増加し、雇用者給与等支給額の0.05%以上のときは、税額控除率に5%を加算、子育てと仕事の両立支援にも5%加算します。税額控除率は最大で35%となります。
また、新たに2,000人以下の従業員を常時使用する企業を中堅企業と位置づけます。継続雇用者給与等支給額を3%以上増加の場合は10%の税額控除率としたうえで、4%以上の増加で25%、これに教育訓練費が10%以上増加し、雇用者給与等支給額の0.05%以上であるときは、税額控除率に5%を加算、子育てと仕事の両立支援、女性活躍推進を行う企業にも5%を加算します。税額控除率は最大で35%となります。
経済安全保障や環境負荷低減に資する物資の国内供給力を高める税制(戦略分野国内生産促進税制)が創設されます。産業競争力強化法に定める事業適応計画に基づいて半導体、電気自動車などを生産する設備投資を行う事業者には、販売数量に応じた金額を生産用資産の取得価額を基礎とした額の範囲内で税額控除します。計画認定後10年を対象とし、控除限度超過額は4年間(半導体は3年間)繰越しできます。
国内で自ら研究開発した知的財産から生じる所得への課税を優遇する税制(イノベーションボックス税制)が創設されます。特許権、AI分野のソフトウエアに係る著作権について居住者や内国法人への譲渡、他の者への貸付けによる所得金額のうち一定額の30%相当額を損金算入、令和7年4月1日以後開始する事業年度から適用します。
資本金を1億円以下に減資して外形標準課税の対象外となる法人が増加する中、現行基準(資本金1億円超)は維持します。ただし、当分の間、前事業年度に外形標準課税の対象であった法人が資本金1億円以下になった場合でも、資本金と資本剰余金の合計額が10億円を超える場合は外形標準課税の対象となります。令和7年4月1日に施行し、同日以後に開始する事業年度から適用されます。