会社に経営理念があると従業員1人1人の努力のベクトルが同じ方向を向くことができ、ひいては会社の業績につながるものです。従業員が「毎日何のために自分が努力しているのか」と感じた時に売上げを伸ばすだけではない価値観を持てると持てないとでは働くモチベーションも違ってくるでしょう。
経営理念は初めて作る時、あまり難しく考えずに社長が普段から考えている「理想の会社の姿」を文書に落とし込めばいいのです。今はその言葉をヒントにAIに手伝ってもらうこともできる時代です。
理念をもとにそれを実現してゆくにはどうすればよいのかを1つの目標として社内が団結して行動できることで企業の成長となり得るでしょう。
経営理念にはミッション、ビジョン、バリューとありますが、ピーター・ドラッガーによる定義ではミッションとは「使命」「目的」「存在意義」などを指し、ビジョンは「将来像」「あるべき姿」を表し、バリューは「価値観」「行動指針」を表すとしています。
経営理念を制定するときは、まずビジョンを考えます。企業が目指す将来を明確にすることでミッションも整理しやすくなります。ミッション実現後の理想像をメンバーと共有します。
ミッションは事業の「目的」「使命」を指し、企業として果たすべき使命、「顧客や社会が求めているもの」が理想的です。まずは社長が自らの思いを経営陣を交えて共有し、議論し定めます。
その後、従業員の価値基準・行動指針となるバリューを策定します。ミッションとビジョンは会社が主体ですがバリューは従業員が主体です。ミッション、ビジョンの達成のために従業員はどのような行動を取るべきかをわかりやすく言語化する必要があります。バリューは多すぎないよう5個以内が良いでしょう。策定には従業員も含めた話し合いが良いでしょう。
行動指針が具体化されることで従業員の当事者意識が高まりモチベーションアップにつながり、この3つがうまく機能することで会社の発展につながることでしょう。