経済産業省による「健康経営」の定義は、「従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営視点から考え実践すること」とされています。
つまり、健康経営とは従業員の健康にかかる支出をコストではなく投資として捉える戦略的な経営手法のことです。
企業の長期的なビジョンに基づいた経営には、「人・モノ・金」の経営資源が必要であり中でも最も重要なのが「人」です。
自社に心身共に健康で活力ある従業員が多いほど組織も活性化し生産性の向上・企業業績の向上が期待されます。
また、身体やメンタルの不調を原因とする休職、さらにはその延長としての離職を防止することによって人手不足の予防効果を期待することもできます。
これら組織の活性化・生産性の向上・企業業績の向上・人手不足の予防などの目的を達成するために「従業員の健康確保のための投資」つまり「健康経営」が企業経営に重要な役割を持つことがご理解いただけると思います。
ワーク・エンゲイジメントとは「仕事に誇りややりがいを感じている(熱意)」「仕事に熱心に取組んでいる(没頭)」「仕事から活力を得ていきいきとしている。(活力)」の3つが揃った状態を言い、健康経営においても健康増進と生産性向上の両立に繋がるキー概念として特にメンタルヘルス対策として注目されています。
ワーク・エンゲイジメントを高める方法には、組織(会社)ができる工夫と個人ができる工夫がありますが、ここでは組織ができる工夫のみを紹介します。
組織ができる工夫には「従業員に職場の裁量権を与え仕事にやりがいを持たせ成長の機会とさせる」、同時に「上司や同僚の支援を受けることができる」ことなどが挙げられます。
これらは特定の従業員のみでなく従業員1人1人、さらには組織全体のワーク・エンゲイジメントを高めることを狙いとします。