飲酒による身体への影響には個人差があります。そのため、飲酒の際にはそれぞれの状況に応じた適切な飲酒量・飲酒行動を本人が判断し、不適切な飲酒によるリスクを抑えていかなければなりません。
そこで厚生労働省は、国内初となる「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を作成しました。基礎疾患などがない20歳以上の成人を中心に、飲酒による身体等への影響について、年齢、性別、体質等による違いや、飲酒による疾病・行動に関するリスクなどをわかりやすく伝えるものです。そのうえで考慮するべき飲酒量(純アルコール量)や配慮のある飲酒の仕方、飲酒の際に留意してほしい事項(避けるべき飲酒等)を示すことで飲酒や飲酒後の行動の判断などに資することを目的としています。
ガイドラインでは、適切な飲酒量を知る目安として「純アルコール量」に着目しています。「摂取量ml×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」で表すことができ、食品のエネルギー(Kcal)のようにその量を数値化できます。例えばビール500ml×(度数5%)の場合の純アルコール量は、「500ml×0.05×0.8=20g」です。
世界保健機関(WHO)ではアルコールの有害な使用を低減するための世界戦略を示しており、また循環器疾患やがん等の疾患の予防コントロールのため、アルコール有害使用の削減に関する目標を含めた行動計画を発表しています。さらに飲酒量(純アルコール量)が少ないほど飲酒によるリスクは少なくなります。
そのうえで、疾病別の発症リスクと飲酒量(純アルコール量)を示し、適切な飲酒量の参考とするように呼び掛けています。
飲酒による疾患への影響は人それぞれです。したがって自分の適量を知り、飲酒習慣のない方も身近な人に当てはめるなど、より少ない飲酒の心がけで健康を守ることを意識していきたいですね。