大学生アルバイターに朗報?
令和7年度税制改正において創設された「特定親族特別控除」は、居住者と生計を一にする19歳以上23歳未満の親族で所得金額が58万円超123万円以下の人(給与収入換算で123万円超188万円以下)を新たに「特定親族」というカテゴリーに区分して、特定親族の所得に応じた所得控除を受けられるようにしたものです。
特定親族の
給与収入 |
所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
123超~150以下 | 63万円 | 45万円 |
150超~155以下 | 61万円 | 45万円 |
155超~160以下 | 51万円 | 45万円 |
160超~165以下 | 41万円 | 41万円 |
165超~170以下 | 31万円 | 31万円 |
170超~175以下 | 21万円 | 21万円 |
175超~180以下 | 11万円 | 11万円 |
180超~185以下 | 6万円 | 6万円 |
185超~188以下 | 3万円 | 3万円 |
※給与収入の各数値は「万円」
社保の被扶養要件も追随
この改正を踏まえて、社会保険の被扶養者認定要件のうち、年間収入を130万円未満とするものについても、19歳以上23歳未満である場合は150万円未満として取り扱いをすることが予定されています。厚労省は5月~6月にかけて、パブリック・コメントを募集し、その中で10月には適用予定としています。
「壁」は動くだけ?
では、特定親族の給与収入が150万円を超えた場合はどうでしょうか。税の控除はある程度受けられるものの、健康保険については社保の扶養対象外となるため、特定親族は扶養者とは別に国民健康保険か社会保険に加入することになります。
また、休学中・定時制・通信制ではない大学生については社会保険の加入対象外となるため、本来企業が半額を負担してくれる社会保険の選択肢がありません。
いずれにせよ、年収で税や社保の適用が定められるのであれば、「壁」はどこかに発生します。後はどのくらいの割合で困る人が出るか、という見極めになるのでしょうか。