どうなる遺族年金!?
遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金があり、老齢年金同様に2階建ての構造となっています。支給要件の基本はそれぞれの年金加入者が亡くなった場合に配偶者や子に一定額が支給されますが、遺族基礎年金では、子が18歳に達するなど一定年齢になると終了し、遺族厚生年金では一定の条件を満たす配偶者であれば一生涯支給を受けることができるケースもあります。年金制度は複雑であり、専門家でなければ正確な回答をすぐに出すのは大変です。
厚生労働省の第23回社会保障審議会年金部会(2024年12月10日)の資料によると遺族年金制度の見直しの方向性として、現行制度として、子のない男性には遺族年金が給付されないケースがあるなどの男女差の解消が検討されていることがわかります。共働きが一般的となりつつある社会の変化に対応するための制度改正は必要なこととして、どのように変わろうとしているのかを知っておくことは重要ではないでしょうか。
遺族年金改正のポイントは?
これまでの遺族年金制度では男女差による年齢制限及び年収制限などで違いがありました。改正案では特に遺族厚生年金に大きな変革が訪れようとしているようですが、どのように変わるのか、概要を整理してみましょう。
- 収入制限の撤廃
- 5年間の有期給付
- 有期期間の増額給付
- 死亡時分割の導入
- 中高齢寡婦加算の廃止
収入制限の撤廃は喜ばしいところですが、5年間の有期年金化という点や中高齢寡婦加算の廃止がどのような影響を及ぼすことになるのか、今後の動向に留意したい点ではないでしょうか。
その他の年金制度改革の現状は?
遺族年金以外の改正動向でみると、厚生年金の適用拡大がさらに進められていく点や受給開始年齢の選択など労働力不足を補うための施策と併せて年金財政の現状の厳しさが分かります。
企業側も従業員側も自助努力の必要性が増していく様相を呈しているので、有効な対策を検討したいですね。