令和7年度改正は去年を踏襲
住宅ローン控除は令和6年までという区切りが結局「去年と制度はほぼ同じ」ということで、令和7年末までの税制となりました。ただ、ここのところ住宅ローン控除の条件が細分化されており、大変分かりにくくなっていますので、おさらいもかねて条件を見てみましょう。
子育て世代への優遇
去年比較で住宅ローン控除の借入限度額等に変動はありません。新築・再販住宅の性能と、子育て世代への優遇は以下の通りです。
子育て世代等
新築・再販住宅 | 借入限度額 |
認定住宅 | 5,000万円 |
ZEH水準省エネ | 4,500万円 |
省エネ適合 | 4,000万円 |
子育て世代以外
新築・再販住宅 | 借入限度額 |
認定住宅 | 4,500万円 |
ZEH水準省エネ | 3,500万円 |
省エネ適合 | 3,000万円 |
子育て世代等とは、18歳以下の扶養親族がいる家庭か、自身もしくは配偶者のいずれかが39歳以下の場合が該当します。
省エネ基準等に適合しない「その他住宅」は、令和6年6月30日までに建築されたものが控除対象だったため、令和7年からは全面的に控除が受けられなくなります。
新築床面積要件と所得要件
通常住宅ローン控除は50平方メートル以上の床面積がなければ受けられませんが、合計所得金額が1,000万円以下であれば40平方メートル以上でも住宅ローン控除が受けられる特別措置も1年延長されています。
なお、50平方メートル以上の床面積の場合でも合計所得金額が2,000万円以下でなければ住宅ローン控除は受けることができません(令和5年12月31日までに適用の場合は3,000万円以下)。
金利が低いから下げたのに
現在、住宅ローンの金利は徐々に上昇を続けています。おそらく来年以降も続く住宅ローン控除ですが、過去に会計検査院の指摘で「1%では金利を超える場合もあり不適切」ということで0.7%に控除率を下げた経緯があります。金利が上がり続ければ再び1%にすることはあるのでしょうか。