一人社長が突然亡くなってしまった場合
中小企業やスタートアップには、一人で社長(代表取締役)と株主を兼ねている会社が多くあります。会社法では、会社に最低1名の取締役がいればよいため、設立は容易です。このような会社は、意思決定の迅速さが強みですが、責任が一人に集中しているため、いろいろなリスクが存在します。例えば、一人社長が突然亡くなってしまった場合。会社が運営できなくなるので、社長の相続人や従業員が連携して、当面の事態に対処しなければなりません。
| ① 株式の問題
今後誰が会社の持ち主となるか ② 取締役の後継者の問題 今後誰が会社の経営を行うのか |
株主全員の同意が得られる場合
会社は、代表取締役が不在という状態を解消するため、株主総会を開催して、後継者(新代表取締役)を選任します。この場合、会社法では株主総会の招集権限は取締役にありますが、唯一の取締役が死亡してしまった場合、招集する人がいなくなってしまいます。そのため、株主(社長の有する株式の相続権がある人)の全員に合意が取れる場合には、次のいずれかの方法により株主総会を開催し、そこで後任を選任します(株主総会決議自体を省略し、株主全員の書面決議で後任を選任することも可能です)。
⑴ 招集手続の省略
株主の全員の同意書をもらい証拠を残すことで、株式総会の招集手続を経ずに、株主総会を開催することができます。
⑵ 全員出席株主総会
株主が全員出席する場合、招集なしでも有効な株主総会が成立します。
株主全員の同意が得られない場合
もし、株主全員の同意が得られない場合には、次のような手段が考えられます。
⑴ 少数株主による株主総会招集請求
議決権3%以上(定款で緩和可)の株主が裁判所に請求し、許可を得て自ら株主総会を招集します。この手続により、有効な後任を選任する決議を行えます。
⑵ 一時取締役(仮取締役)の選任
利害関係人(株主・債権者・従業員等)が裁判所に一時取締役(仮取締役)の選任を申し立てます。報酬は裁判所が決定し、通常弁護士等が選任されます。後任が選任されるまでの間の緊急の救済措置です。