人手不足を背景に、外国人を雇用する企業が増えています。一方でトラブルや早期離職が起こるケースも少なくありません。こうした事態を防ぐには、企業側の理解と配慮が重要です。
外国人を雇用するときは、在留資格や労働条件、日本語レベルなどの確認や教育環境の整備など、様々な準備が必要です。準備を怠ると既に働いている従業員との間にトラブルが起きることもあります。適切な形で外国人を採用することで企業の収益を高めることもできるでしょう。
外国人雇用の4つの注意点
①在留資格
外国人を雇用するときは在留資格が自社の業務に合っているかどうかの確認が必要です。在留資格を持たずに外国人が働くと不法滞在及び不法就労になります。在留資格は「在留カード」という身分証で確認することができます。「就労不可」と記載されている場合は「資格外活動許可欄」を確認します。日本に在留するための資格は全38種類あり、資格ごとに許可される就労内容が定められています。
資格で認められていない業務をしたり、在留期限が切れた後も更新せずに働いたりすると「不法就労」になるだけでなく、事業主も不法就労をさせた「不法就労助長罪」により処罰されるので注意が必要です。
②外国人雇用に必要な手続き
外国人雇用をしたときはハローワークに外国人雇用状況を届け出なければなりません。雇用保険の加入条件に達した人は外国人であっても原則として雇用保険資格取得届を出します。
③労働条件・マナー・日本語レベル
日本の慣習、文化になじみのない場合、労働条件やビジネスマナーについて事前に理解をしてもらうようにします。また、一般企業のビジネスの場ではN1かN2の日本語能力は欲しいところです。
労働条件通知書は日本語、母国語で記載すればトラブルは少ないでしょう。日本のビジネスマナーは研修、OJTなどで身に着けてもらい教育環境も整えましょう。
④不法就労が判明したときの対応
日本人と外国人の労働者がお互いを理解しあうための場の提供が必要となりますね |
万が一、不法就労が発覚した場合には、直ちに出勤停止命令を下したうえで、新たな在留資格を取得するようにします。是正できない場合は解雇となりますので注意が必要です。