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デイリーニュース
2023/11/02

駐日外国公館等に課税が及ぶ日本の税金はあるのか?

日本の中の外国に日本の課税はあるのか?

 先日、ある税理士がラオス大使館の見学ツアーに行ってきたそうです。何事においても課税の有無に敏感な税理士の職業的な病で、日本国の課税問題が及ぶのか否かがとても気になったようです。

 原則は、ウィーン条約第32条で「領事機関の公館に対する課税の免除」が規定されています。では大使館関係は一切課税されないのでしょうか? ヒトやモノが動くことで生じる課税問題はないのでしょうか?

大使館職員等で日本国籍等は個人課税あり

 外交官や大使館職員等の所得税は、日本の所得税法でも非課税と規定されています。ただし、日本国籍を有している者や日本に永住する許可を受けている者は除外され、課税されることになっています。日本人相手のビザなどの事務手続きには日本語を母国語とする人も必要なので、こうした職員等は日本の所得税が課税されます。

 注意しなければならないのは、給与の支払に際して大使館等には源泉徴収義務は及ばないので、自分で確定申告が必要だという点です。日本の所得税法の規定に従った計算となり、内部慣習での非課税扱いは認められません。

物品購入にかかる消費税の免税

 外国公館等といえども、すべてを派遣国からの物資の賄いで生活できるわけではありません。生鮮食料品や生活用品などは日本国内で業者から購入しますし、大使館員が日本国内で乗る乗用車のガソリンも日本国内で調達することになります。

 外国公館等が、国税庁長官の指定を受けた事業者(以下「免税指定店舗」)から物品・サービス等を購入する場合には、一定の条件の下、消費税が免除されます。これは輸出などで所定の手続きをすれば消費税免税になるのと同じです。なお、免税指定店舗の指定を受けていない場合においては、免税で購入することはできません。

 そのため、普段からの物品購入先である免税指定店舗からの購入では消費税は免税ですが、出張先などでたまたま入ったコンビニや小売店での買い物は外交官でも日本の消費税が課税されることになります。

※ラオス大使館でも見学ゲスト用にラオス物品がお土産用として売っていたそうです。外国=ラオスでの買い物なので、日本の消費税は課されなかったとのことでした。