令和2年度税制改正により、令和5年からは扶養控除の対象となる国外居住の扶養親族の範囲が「16歳以上の非居住者」のうち「30歳から69歳までの非居住者」が除外されました。ただし、
①留学により国内居住をしなくなった人
②障害者
③扶養控除の適用を受けようとする居住者から、その年に生活費・教育費に充てるために38万円以上の送金を受けている人
上記に当てはまる扶養親族は、今まで通り対象となります。
なお、留学生を扶養する場合は留学ビザ等書類を扶養控除等申告書の提出時に、38万円以上の送金を受けている人を扶養する場合は年末調整時に送金額の分かる書類を追加で勤め先に提出する必要があります。
令和4年度税制改正により、令和5年提出の扶養控除申告書の「住民税に関する事項」に「退職手当を有する配偶者・扶養親族」の欄が追加されました。
所得税の扶養親族の所得要件には退職金を含みますが、住民税の扶養親族の所得要件には含まれないため、「所得税では控除を受けられないが住民税では控除を受けられる」という配偶者控除や扶養控除が存在します。住民税側の控除の適用漏れを防止する観点から追加されました。
こちらは制度全体としては令和4年からの刷新ですが、住宅ローン控除は2年目から年末調整可能ということで、新しい条件(控除率0.7%・所得制限2,000万円等)での年末調整は今年が初めてとなります。
会社側は、控除額が記載された計算明細を提出されるので控除率の変更自体はあまり問題になりませんが、所得制限については従来の3,000万円から2,000万円(床面積40~50平方メートルの特例住宅の場合は所得制限が1,000万円)に変更されているので注意しましょう。
国税庁は「年末調整がよくわかるページ(令和5年分)」という総合案内ページを用意しています。最近は年末調整制度の内容がたびたび変更されていますので、担当者は一度確認しておくと良いかもしれません。