そろそろ年末調整の時期ですが、令和7年1月1日以後に支払を受けるべき給与等について提出する扶養控除等申告書から「簡易な扶養控除等申告書」が提出できるようになりました。扶養控除等申告書は提出期限が「その年の最初に支払を受ける日の前日」となっているため、年末調整の際に出すのが通例です。この冬登場の簡易な申告書はどういう時に出せるのか、チェックしておきましょう。
簡易な扶養控除等申告書はその前年に提出した扶養控除等申告書等に記載すべき事項に異動がない場合出せます。
書き方としては氏名やマイナンバー(個人番号)、住所の記載を行った上で、「前年から異動なし」と余白に書くと、扶養控除等申告書は簡易な申告書となります。別の用紙等はありません。
以下の項目に1つでも該当すると、簡易な扶養控除等申告書は提出できません。
・自分や源泉控除対象配偶者、控除対象扶養親族の住所又は居所の異動
・自分や控除対象扶養親族の氏名の変更
・マイナンバーの変更
・源泉控除対象配偶者・控除対象扶養控除・16歳未満扶養親族の該当非該当の変更
・寡婦、ひとり親、勤労学生の変更
・(特別)障害者控除の変更
・源泉控除対象配偶者の所得見積が95万円超になる・控除対象扶養親族や年少扶養親族の所得見積が48万円超になる
・扶養親族の年齢の変動による控除の区分変更
・国外居住親族の扶養控除適用要件の区分変更
・年少扶養親族が16歳になり控除対象扶養親族に該当
提出する従業員にとっては手間が減るため便利そうに見えますが、簡易な扶養控除等申告書は7年間保存義務があり、異動がないかを調べるために通年簡易な申告書を提出していた場合は「最後に提出を受けた簡易ではない申告書」の内容も保存する必要があるため、書類(もしくはデータ)の保存は増えてしまうことも。また、うっかり「前年から異動なし」として出してしまった等のケアレスミスも増えそうで、担当者の方の作業が増えるかもしれません。