平均原価法の期間の取り方 総平均法と移動平均法
2017/12/26
… デイリーニュース
「総平均法」は簡便だがタイムリーでない
取得した棚卸資産の平均原価を算出し、期末棚卸資産の価額(払出単価)を算定する方法を「平均原価法」といい、「総平均法」と「移動平均法」の2種類があります。
「総平均法」は、一定期間ごとに(期首棚卸高+期中受入高)をこれらの総数で割り単価を求める方法です。簡便なのですが、一定期間が終了し、締めてみないとその期の払出単価を把握できないのが欠点です。
〈「総平均法」の商品有高帳〉
|
期首・受入 |
払出・期末 |
4個/56(@14) |
|
|
②仕入 |
4個/48(@12) |
|
③売上 |
|
6個(@11.5) |
④仕入 |
8個/80(@10) |
|
⑥期末 |
|
10個(@11.5) |
上の例では総平均法による払出単価は、(①期首56+②仕入48+④仕入80)/総数16個=@11.5となります。
払出単価が随時把握できる「移動平均法」
一方、「移動平均法」は受入の都度、平均単価を改定する方法です。この方法によれば、随時単価を把握することができますが、継続記帳が必要で、手間がかかる方法です。
先程の例に移動平均法を用いる場合、③の払出単価は(期首①56+仕入②48)÷総数8個=@13、期末の在庫の単価は、(③売上後在庫2個×@13+④仕入80)÷総数10個=@10.6となります。
〈「移動平均法」の商品有高帳〉
|
期首・受入 |
払出・期末 |
①期首 |
4個/56(@14) |
|
②仕入 |
4個/48(@12) |
|
③売上 |
|
6個(@13) |
④仕入 |
8個/80(@10) |
|
⑤期末 |
|
10個(@10.6) |
「期間の取り方」は通達を参考に!
法人税では「総平均法」は「期別総平均法」、「移動平均法」は「その都度移動平均法」を基本として考えていますが、通達では「総平均法」は「6か月ごと」「月別」、「移動平均法」は「月別」で行うことも認めています。「月別総平均法」と「月別移動平均法」は実は全く同じになるのですが、それぞれ「総平均法」と「移動平均法」の一つとされています。過去の判例では、上半期が異常であったため採用した「期末前2か月間の総平均法」が「総平均法」に該当するものか否か争われた例があります。
[本店] 〒210-0005 川崎市川崎区東田町8 パレール三井ビル8階 tel : 044-233-2811 fax : 044-233-0818
[相模原支店]〒252-0231 相模原市中央区相模原3-8-25 第3JSビル7階 tel : 042-704-9581 fax : 042-704-9582